☆あるコンサートの中のトークより・・・☆

・・・さて私事でございますが今年7月6日に夫安田慶典が52歳で天に召されました。

2008年11月に進行性のがんであることが判明してから、8ヶ月足らずの闘病生活でした。誰よりも元気印、パワー全開の主人にこのようなことが起こるなど、一体私達家族はもちろんのこと、誰よりも夫自身が、予想もつかないことだったと思います。本当にこの8ヶ月は、涙の渇くことのない日々でした。

けれども一方で、私達夫婦にとりましては不思議なことですが、これまでに共に過ごした25年間に勝るほどの、本当に暖かく、深い神様の愛と平安に包まれた掛け替えのない時となったのです。

夫は、明るくサービス精神旺盛で、いつもジョークを飛ばすユーモアのある人でしたが同時に、完璧主義であり、そのため他者への要求も厳しく、常に激しい言葉で家族や周りの人をなぎ倒す一面を持っていました。しかし、それまで神様から遠く離れていましたそんな夫の心に、大きな変化が起こりました。

夫は、それまでの自らの足跡を振り返りながら、涙と共に深い悔い改めと、感謝の祈りを神様にささげ、聖書を紐解き、讃美歌を口ずさみ始めました。そして別人のように穏やかな優しい表情へと、変貌していったのです。

私達は心から語り合い、いつか訪れる「その日」への備えの時を、毎日を大切にしながら一緒に過ごしてまいりました。 そして、穏やかで静かに訪れた最期の時、私達家族はみんなで手をにぎり、讃美歌とお祈りの中で、旅立ちを見送ることができたのです。

悲しみは深くても、この世でのお別れの時を、このような形で与えられました事は、本当にただ、神様からの恵みであり慰めだと思い、感謝で胸が一杯です。

その後、寂しくて辛くて、歌う気力を失っておりました私に、ある牧師先生が、詩篇のみ言葉を送ってくださいました。

「しかし、この私はあなたの力を歌います。 まことに、朝明けにはあなたの恵みを喜び歌います。 それは、私の苦しみの日に あなたが私の砦、また私の逃れ場であられたからです。」

この御言葉に触れて、私は「悲しいけれど今この時こそ、神様の下さった憐れみと恵みに感謝して、賛美歌を歌いなさい」と、励まされたように感じました。

そして又、亡くなる直前まで「心が慰められる」といって、私の歌う拙い讃美歌を、喜んで繰り返し聴いてくれていた夫の姿を思い出し、私の賛美をこんな不思議な形で用いてくださった神様に、心から感謝いたしました。

寂しい時悲しい時も、夫が「讃美歌を歌い続けてね」と言い遺してくれた言葉を心に留めて、皆様の祈りに支えられ、これからを生きてまいりたいと思います。夫を天に見送ったとき、ベッドの傍で歌ってあげた私の大好きな讃美歌「わが魂の慕いまつる」をもう一度、歌わせて頂きます・・・・

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